こんにちは。d-fitness管理人です。
年々競技人口や大会数が増加しているフィジーク業界ですが、初心者にとってはどの大会が出やすいのかが分かりにくくなってきているように感じます。
そこで、今回は数々の団体での出場やサポート経験がある筆者がフィジークの基礎知識と初心者におすすめのフィジーク大会を紹介していきます。
団体によってコンセプトや出場フローが異なりますが、それぞれを比較の上、挑戦する大会を決めていただけるような内容に仕上げていますのでぜひご覧ください。
フィジークとは

フィジークとは、ビーチでカッコ良い身体を競うボディコンテスト競技を指します。
一昔前まではボディコンテストといえば、ゴリゴリのボディビルが主流でしたが2013年のMr. Olympia(ミスターオリンピア)での開催を契機に一気に人気を博しました。
競技上の特徴としては以下が挙げられます
◆サーフパンツを着用
◆上半身が主に審査される
◆逆三角形のボディラインが評価される(通称Vシェイプ/Xシェイプ)
◆筋肉(力強さ)を協調するポージングはNG
上記の通り、ボディビルとは異なる競技性を持つ種目のため、フィジークの台頭によって従来よりも広い層がボディコンテストの世界に魅了されるようになったと言えます。
なお、日本ではYouTuberのKanekin Fitnessがフィジークのパイオニアとして活動しており、筋トレ愛好家だけでなく幅広い層にフィジークの知名度を広めています。
日本のフィジーク大会
2013年にMr. Olympiaで初めて行われたフィジーク大会ですが、同年に日本でもJBBFという団体でフィジーク大会が開催されています。
そこからNPCJ(現fwj)やAPF、サマースタイルアワード、マッスルゲートなどの様々な団体でもフィジークが競技種目として導入されました。
2025年現在では、団体を選ばなければほぼ毎週どこかで大会が開かれていると言っても過言ではないほどに日本国内でのフィジーク人気は高まっています。
審査基準

ビーチでカッコ良い身体がコンセプトのフィジークですが、ただ単に筋肉を鍛えて体脂肪を減らせば良いという単純なものではありません。
フィジークは人の目で点数をつける競技なので、審査の際に重視されるポイントを熟知していることが大会成績を大きく左右します。
①Vシェイプ
フィジークでは肩からウエストにかけての逆三角形のラインが重要な審査ポイントとされています。
肩(三角筋)、胸(大胸筋)、背中(広背筋)の3点をしっかり鍛え上げ、全身の体脂肪率を落とせばVシェイプが完成します。
そのため審査基準を満たすことだけを求める場合、脚のトレーニングの重要度は低めに設定しても問題ありません。
(上半身に対して下半身が細すぎると相対的にカッコよく見えないリスクはあります…。)
②ミッドセクション
フィジークをはじめとするボディ競技では腹筋周辺をミッドセクションと呼びます。
フィジークではこのミッドセクションの仕上がりが極めて重要で、Vシェイプと同様に審査の最初期から見られています。
ミッドセクションは腹筋のトレーニングに加え、ポージングを決めた時にしっかり腹筋が割れた状態をキープする能力(=マッスルコントロール)も求められます。
③コンディション
Vシェイプやミッドセクションを綺麗に見せるには良いコンディションを大会当日に持ってくる必要があります。
体脂肪率は6%以下を目標とし、大会の1週間前辺りから摂取カロリーを増やして筋肉にハリを戻すというフローを経て初めて完璧なコンディションが作られます。
フィジークでのコンディションは体脂肪率、筋肉のハリの2点で作り上げます。
ただ単に体脂肪率が低くて筋肉にハリがないコンディションや、筋肉は大きくても体脂肪を落としきれていないコンディションでは勝てません。
極限まで体脂肪を落とし、筋肉はパンとハリのあるコンディションを目指しましょう。
初心者におすすめの団体と大会
フィジークの基礎知識を押さえた後は、日々の身体づくりを経て大会に向けて突き進むのみです。
ここでは初心者におすすめの大会を厳選して紹介していきます。
団体名 | JBBF | FWJ | APF | SSA(サマースタイルアワード) |
---|---|---|---|---|
団体ロゴ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
HP | https://www.jbbf.jp | https://fwj.jp | https://apf.fitness | https://s-s-a.jp |
レベル | ||||
ドーピング検査 | あり | なし | なし | あり |
上記が初心者におすすめの大会(団体)です。
いずれも開催大会数が多くて審査基準がはっきりしているため、目指す身体が明確な点が初心者におすすめできるポイントです。
上記の団体はエントリーも比較的簡単で、ウェブ上での「団体登録」と「出たい部門へのエントリー」で完結します。
レベルに関しては当日の選手層次第なので、おおよその目安としてください。
JBBF

JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)は1955年に日本ボディビル協会として設立され、数回の改名を経て現在の名称になっています。
2025年で設立70年という歴史のある団体で、古くからボディビル競技を運営してきた団体です。
特徴
JBBFはアンチドーピングを重要な運営理念の一つとしていることが特徴で、必要に応じて抜き打ち検査を行うほどに徹底しています。
また、サーフパンツの丈やサイズ感にも規定があり、ポージングも他団体と比較して自由度が少ないという特徴も持ち合わせています。
ドーピング検査や、ルールの厳しさが特徴なJBBFですが、細かく規定があることは初心者にとってはかえって挑戦しやすいとも言えるでしょう。
自由度が高すぎるよりも、ある程度レールが敷かれた上で自己ベストを目指すというのも個人的にはおすすめです。
筆者が勤めるパーソナルジムのトレーナーが、2025年7月に開催された「第11回関東メンズフィジーク選手権大会」に出場した時の様子を下記のブログに掲載しています。気になる方はぜひご覧ください。

おすすめの大会
JBBF主催の大会の中で初心者におすすめなのは「地域名 オープン」という名称の大会です。
例)湘南オープン
この区分の大会はJBBFの規約を守っていればどんな人でも参加できる上に、他の区分の大会よりは初心者も参加しやすいレベル感になっています。
各大会のスケジュールは下のボタンから確認できます↓
FWJ

FWJは、JBBFに並ぶ日本のフィットネスコンテスト団体の一つです。
2019年まではNPCJという団体名でしたが、2020年にFWJという名称に変更になりました。
kanekinfitness選手やエドワード加藤選手といったフィジークのトップ選手たちが出場していたことからも知名度は極めて高い団体です。
特徴
FWJの特徴は、初心者からプロレベルまでの幅広い選手層が集まる点です。
大会に初めて出る人だけがエントリーできるクラスもあれば、歴戦の猛者たちが集結するクラスまで非常に多岐にわたるクラス分けがなされているのがFWJの面白い点です。
初心者クラスで挑戦しつつ、控え室や客席ではトップレベルの選手を目の当たりにできるという点では、将来的な目標を見つけにいくという意味でもFWJのコンテストに出場あるいは観戦することは有意義だと感じます。
おすすめの大会
初心者が挑戦するのにおすすめなのは、Natural Regionalという区分の大会です。
FWJは大きくRegionalとNatural Regionalとに分けられます。
この二つの決定的な違いはドーピング検査の有無で、Natural Regionalはドーピングを禁止するという立ち位置の大会です。
基本的にはドーピングをしているか否かで身体つきが大きく変わる為、初心者がチャレンジする時はまずはNatural Regionalに区分される大会からが良いでしょう。
FWJの大会スケジュールは↓から確認できます
APF

APFはNPCJがFWJに名称を変更した少し後に発足した比較的新しい団体です。
エントリー方法や審査基準などはFWJとほとんど同じですが、ファミリーフィジークやアスリートモデル、フィットネスモデルのような比較的初心者でも挑戦しやすい部門も多いのが特徴です。
特徴
APFの特徴は初心者でも参加しやすい点です。
家族で出られるファミリーフィジークや、コンテストに初めて出る人だけがエントリーできるファーストタイマーがあるため、初心者やフィットネスを楽しみながらコンテストにでたい人にも安心してステージに立てるようになっています。
MCの盛り上げや大会スケジュール通りに進行する運営スキルもまた、初めて大会に出る人にとっては安心と楽しさを感じられる要因となるでしょう。

筆者もフィジークモデルに出場した経験がありますが、運営の精度の高さは印象的でした。
あらゆる面で選手ファーストなので、コンテストに初挑戦の人でも安心して臨める素晴らしい団体だと思います。
おすすめの大会
APFも他団体と同じく、ほぼ毎月開催されています。
初心者向けの大会はありませんが、どの大会にも初心者向け部門があるのでまずはそこから挑戦するのも良いでしょう。
APFの初心者向け部門は以下の通りです。
APFの大会スケジュールは↓から確認できます
SSA(サマースタイルアワード)


SSA(サマースタイルアワード)は俳優や肉体美で有名な金子賢さんが代表を務めるボディコンテスト団体です。
2015年に発足してから年々競技人口が増してきており、どの大会もかなり盛り上がりを見せています。
筆者は現在この団体のフィジーク PRO選手として在籍しています。
他団体にはないPROという面白い制度があるのでその点も触れていきます。
特徴
SSA(サマースタイルアワード)の特徴は、豪華な演出とPRO制度がある点です。
大きな垂れ幕や豪華なライティングから成る演出は主要なコンテスト団体の中でも上位に入ると感じます。
競技結果も大切ですが、豪華なステージに立つことだけでも十分に価値を感じられるほどに洗練されています。
PRO制度とは、各大会の優勝者にPROカードが与えられるというものです。
PRO選手は、夏/冬に開催されるPro戦に出場可能になったり様々な特典を受けられるといった内容です。
なお、Pro制度がある競技は以下の通りです。
- クラシックフィジーク(男性)
- フィジーク(男性)
- スポーツモデル(男性)
- ベティ(女性)
- ビューティーフィットネスモデル(女性)
- ビキニモデル(女性)
おすすめの大会
SSAの大会は大きく分けると「RCC(新人戦)」「予選(本戦)」「決勝大会」「プロ戦」の4つに分類されます。
いろいろあって複雑な印象ですが、初心者がSSA(サマースタイルアワード)に挑戦する場合は、RCC(ルーキーチャレンジカップ)からがおすすめです。
RCCは予選(本戦)で入賞経験がない人が対象の部門のため、初挑戦の場合はRCCからが良いでしょう。
なお、RCCと予選(本戦)は基本的に同日開催なのでWエントリーする選手もたくさんいます。
SSAの大会スケジュールは↓から確認できます
フィジークで勝つためには準備が大切


本記事では、初心者がフィジークに挑戦するのにおすすめの大会を紹介しました。
どの団体もそれぞれ良さがあるので、気になるものは一度観戦してみるのがおすすめです。
審査の流れやレベル感など、現地でしか感じ取れない情報を収穫できれば大会前の不安を軽減できるはずです。
そのほかにも、大会の日から逆算した増量/減量計画やカロリー計算など、やっておきたい準備がたくさんあります。
フィジークは他のスポーツとは違い、本番で急に良いパフォーマンスが出せて大逆転というようなドラマはほぼ生まれません。
そのため、フィジーク競技においては、日頃からの情報収集や身体づくりの分析と改善の積み重ねが最も大切です。
当サイトでは、フィジークやスポーツモデルなど、ボディコンテストに必要な知識を網羅した記事をたくさん執筆していくのでぜひ他の記事もご覧ください。